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zoom RSS サックスのリード(3) Vandoren Trad #2 を使おう(その2)…購入検討者への提言

<<   作成日時 : 2009/04/29 03:24   >>

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(続き)普段の噛み合わせ、と云うのは多分無意識のものだ。

だから、あまり日常とかけ離れているようでは、どこかに無理が来る、と思う。
少なくとも自分はそう思っているから、噛み合わせは大事にしている。
片頭痛やら肩こりやらも持っているから、尚更だ。
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ここでリードに視点を移してみる。

全く恐れ多い事だけれども、今回、Vandoren Trad#2を使おう、と云う「提言」の主旨…。

結論から申せば「奏者の事情にマッチしたリードを使おう」と云う事になる。
でも「だから○○にしているのに、何故Trad#2なのか…」と仰る向きが大半だろうと思う。



ポイントは2つ。

・リードが持つ「振動の支点」

・リードが持つ「抵抗」

Vandoren Trad#2 におけるこの2点を、一度御自分のマウスピースや御自分の事情とバランスしてご覧になっては、と云う事になる。


既に楽器のコントロールが出来ていて、演奏に何の支障も無い状態の方は全く持って関係の無い話。

けれども、例えば初心者の方などで、吹く際に「普段は違うのにどうしても受け口になってしまう」「リードを噛み上げてしまう」と仰る方には、おそらく少しは関わってくるのではないか、と云う話、なのだ。


至極当たり前な事ではありつつ、大分ファジーな内容でもあるので、一つ文章にまとめる事で明確になる部分もあるのでは、と思った次第。


*尚、先回のエントリーに対するコメントで大変興味深いご指摘を頂いた。
こちらも是非合わせて読んで頂きたいし、今後、この内容についてエントリーも書かせて頂く事もあろうから、要チェキラ。
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まずは「受け口になる」と云う事を前述の「リードの振動の支点」から考えてみる。
何せ、今回のテーマが「リード」なので。


初心者の方で「鳴らしやすいから」「音が出しやすいから」と云う理由で、例えばVandoren Java、La Vozなどのアメリカンカットのリード、しかも薄めのものを使われる方が多い。

勿論それはマウスピースや個人の事情に合わせた結果の正解なので、ここでとやかく云う義理はないし、中にはソニー・スティットに憧れてジャケ写の完全コピーを試みる方もおられるかも知れない。

それはそれで良いのだけれど。


しかしながら、「Vandoren Tradは普通の場所が吹き易いけれども、Vandoren JavaやLa Vozの場合、受け口の方が吹き易い」と云うのは少々具合が悪かろう、とも思う。


例えばVandoren Javaの場合、リードの振動の支点になる位置が、リードの根元にかなり寄った場所になる。

Vandoren Javaの特徴である明るい音質とレスポンスの良さを狙いつつ、ヴォリュームを上げ、コントロールの自由度を高める為に、リードの中でメインで振動する部分の面積を広く取るために削り方(カット)を調整してある為で、特にJavaはリードの中央部分まで非常に柔軟に出来ている。
(勿論これは比較的フェイシングの長いマウスピースに対応している面もあるのだろう)

リードの表側を根元から触っていくと、表皮が削られている最初の位置からなだらかに斜面(ここをヴァンプと云うらしい)を降りるように進む。
やがて先端に近づくと斜面(ヴァンプ)が終わり、平らになるが、その斜面の終わりの部分、ここが概ねリードの振動の支点…Vandorenでは「ハート」と呼ぶ…になる、と考えている。
ハートの周辺〜先端部分、ここがリードの中で主に振動し、音を生み出す元になる場所だ。
「テーブル」なんて呼ぶのはおそらくこの辺りの事だろう。

このハートの位置が大事で、ここや、ここより先端寄りを圧迫し過ぎると音が出し辛い。
一見柔らかい音が出ているかに見えて、伸びも響きも無い、ただのモコモコした音になってしまう。

また音程の取り易さも違ってくる。巧くリードの支点を支える事が出来れば良いのだが、必ずしもそうは行かない。
特にアメリカンカットの薄め、な場合、意外にデリケートな場所になろうからだ。
おそらくこれも探っていけば、先端部からはかなり離れた場所になろう。

だからリードを支える場所のイメージは、このハートの位置よりも少しリードの根元に寄った所、つまり口にいれた場合は「奥」側になる。
Vandoren Javaの場合はこのハートの位置がいわゆる「青箱(Trad)」よりも随分リードの根元よりになってしまう。

だから下唇に乗せる位置…リードを支える位置…が深くなっていく。
音が出し易い位置を探すだけで、そうなってしまう。
(本来リードの支えは下唇が全てではないのだが、初心者の方の場合はどうしても唇がメインの支えになるだろうから、だ)

しかし、「前歯を乗せる位置はマウスピースの先端から1〜1.5cmくらいの場所」と云う通説があるため、これを頑なに守ると噛みあわせがズレてしまうケースが発生する。

リードを下唇、下あごで迎えに行く形が出来る。「受け口」の出来上がりだ。
本来の噛み合わせの位置をさておく、事になってしまう、訳だ。


この場合、噛み合わせのズレを解消する為の方法としては「リードを支える場所に合わせて前歯の位置を動かせば良い」事になる。

しかし、リードの事情で前歯の位置を動かす場合(マウスピースの構造にも寄るが)、非常に深くマウスピースをくわえる事にもなりかねず、これはこれでバランスを崩す方向に向かいそうだ。
口に関わる事なので、例え2、3mm動かしただけでも相当な距離を移動した感覚になるから、余計にそう感じるだろう。

勿論リードを効率よく鳴らせてコントロールもしやすくするには、くわえる深さはある程度必要なのだが「こんなに深く加えても良いのだろうか??」と不安にも思いかねない。
(これは個人的な事情によるから具体的に○cmくらいの場所、と云う云い方が出来ないのだけれど)


また、前歯の位置を優先すると、リードの支えのポイントがハートより先端寄りになる場合もあり、マウスピースのフェイシングカーブにも寄るのだが、音量も出ず、音色もくぐもりがちで、常に音程が不安定な状態で演奏せざるを得ない。
(だからマウスピースのフェイシングとリードのカットと云うのは、ある程度マッチングを取ってあげたほうが、ストレスが少ないのでは、と考える訳だ。場合によっては具合が悪い事にもなろう)



今回のエントリーは話をリードに絞りたいので、ここでは一旦、

・マウスピースを比較的浅めにくわえる場合、リードの振動の支点となるハートの位置が先端に近いカットのリードを選んだ方が具合が良いのではないだろうか?

・その為、アメリカンカットよりはフレンチカットのリードの方が、結果的にコントロールしやすいのでは?

・全国的に、比較的安価に、ほぼあまねく入手できるものとしては「Vandoren Trad」ではないだろうか?


とまとめる事にしよう。



そこで登場するのがVandoren Trad、な訳だ。
フレンチカットの代表格で、他のブランドと比較しても全国どこでもあまねく入手可能。

しかし何故2-1/2では無く、2なのか?
この辺は次回の内容にも関わるので、詳しくは次に譲る事にする。


勿論これは極端なイメージであって、前歯を乗せる位置、下唇の支えの位置は、リードは勿論マウスピース本体のフェイシングカーブにもよる処だし、個人の事情も多くあるので誤解のなきよう。
きちんとレッスンを受けておられれば、まず間違いは発生しないだろう。

また、元々受け口で、それにコンプレックスを抱いておられる向きには、文面が一見失礼極まりなく写るかも知れないが、良く良くお読み頂ければ主旨をご理解頂けると思うので、こちらも誤解の無いように…。


結局は自分が吹いて良い音が出て、良い演奏が出来れば、それがベストマッチなのだが、中々そうも云えない現状もあろう。

色々云ったが、ちなみに個人的には、この数年、Selmer S80-C☆を使う際には、Vandoren Trad#3ないし#3-1/2を使う事が多い。
現状はC☆☆位が丁度良いのだけれど、持ってもいないし買えもしないから、しばらくこれだ。
中庸な仕様に最も中庸なリード。
演奏やアンブシュアなどに"ブレ"が出ている時には、このセッティングで修正を試みる。

また通常使うBARI DCOTAやDukoffではVandoren Trad#2-1/2が殆どだが、今度出たサックス用「V12」に非常に興味がある。
Tradよりもハートが若干後ろになっていて、より太いケーンから削りだされているらしいから、腰が違うだろう。
望んでいたスペックそのままだからだ。

Vandoren Javaのフレンチカットの新発売がアナウンスされたけれども、実物を試していないから判らないが、Javaの持つ柔軟性を活かしつつ、フレンチカット特有の腰の強さも同居しているのでは、と推測するに、これまた"手練れ"の方々向けなのかしらん、とも思っている。

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さて、もう一つ、考察するポイントが残っている。

リードが持つ「抵抗」について、だ。

これは次回サラッと触れる事にしよう。



(続く)

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声楽を少しやったことがあるので、私見ですが一言…

意識してやっているわけではありませんが、歌を歌う時、声を響かせるために下顎は前に移動します。この時の喉頭から口腔内の状態がサックスを吹く時の「喉を開いた」状態と同じだと感じるようになりました。
自然の噛み合わせ(筋が弛緩した状態)と発声する時(サックスを吹く時)の下顎の状態は違って当然だと思います。
口を「オ」の格好にしてMPを咥えると良いアンブシュアになるといわれますが、「オ〜」と声を響かせた口の格好でMPを咥えると、のほうが正しいのではないでしょうか?
そうすれば、骨格に関係なく個々人に最適なアンブシュアになると思います。

リードによっては、おっしゃるように支点の違いが出てくるので微調整が必要になるかもしれません。MPのフェイシングによっても変わると思います。
その場合、主に行うべきは咥える深さの調整になるべきで、アンブシュアの調整は最小限にするべきでしょう。

受け口・噛み上げとは趣旨が違うかもしれませんが、正しいアンブシュアで全てが解決するような気がします。
Sulcata
2009/04/30 10:58
>>Sulcataさん

ご無沙汰致しております。貴重なコメントありがとうございます。

>正しいアンブシュアで全てが解決するような気がします。

これは正に仰る通りですね。

>口腔内の状態がサックスを吹く時の「喉を開いた」状態と同じだと感じるようになりました。

これは私もそう思っております。
口腔のコントロールはある程度経験を積む事が必要ですが、とても大事なポイントですよね。

>自然の噛み合わせ(筋が弛緩した状態)と発声する時(サックスを吹く時)の下顎の状態は違って当然だと思います。

これについても基本的にそう思います。
サックスの場合はマウスピース・リードが介在しますから、そもそもが不自然な状態ではありますしね。
(続く)
D-O
2009/04/30 14:16
(続き)
その中で、

・様々な情報を自己流で解釈し、結果「これで良い」と思い込みつつ、演奏もままならない程にバランスを崩しておられる
・鳴り易いリードを探したはずなのに、音程も取れず、アンブシュアも維持出来ず、むしろ吹き辛くなった

ケースを最近幾つか見てきましたので、それが今回のエントリーのきっかけにもなっております。


リードの選択に関する事を観点に、一度ニュートラルな状態に戻り、改めて様々な事を検証・確認する為に何が必要なのか、を自分なりに再考したい、と云う処です。

次回はリードの抵抗・保持を題材にしようと考えておりました。
よろしければ是非ご覧頂いて、またコメントを頂ければ幸いです。


>口を「オ」の格好にしてMPを咥えると良いアンブシュアになるといわれますが、「オ〜」と声を響かせた口の格好でMPを咥えると、のほうが正しいのではないでしょうか?
>そうすれば、骨格に関係なく個々人に最適なアンブシュアになると思います。

これは絶妙な解説ですね!!どこかで引用させて戴くやも知れません。
ぜひご了承下さいませ。
D-O
2009/04/30 14:17
アンブシュア、腹式呼吸、喉の開き、タンギングなどこの1年間色々考えてみました。そして出てきた結果が、歌う時の身体の使い方に一番近い!と言うことでした。

次の記事も楽しみにしています。

引用に関しては、ご自由に使って下さって結構です。
Sulcata
2009/05/01 00:47
>>Sulcataさん

コメントありがとうございます。
よろしくお願い致します。
D-O
2009/05/01 08:35

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