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<<   作成日時 : 2005/07/01 13:09   >>

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"国産牛肉"は中々高くて買えない。

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このエントリーは公開から3年以上経過していますが、アーカイブ化までの間現状のまま公開致しております。
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地元では名の知れた"○○牛"だの、"○○豚""○○鶏"だのは方々にある。その中で非常に優れた品質をもった上に、たまたま全国的に有名になったものが"松坂牛"だったり"薩摩黒豚""比内鶏"なのだろう。
経済的に許されないのでじっくり試した事はないのだが、長年第一線で知られている、と云う背景からして、その品質の高さとクオリティコントロールの徹底さは推して計るに容易い。

一方ここ何年かは牛ならばオージービーフがどんどん入って来ている。機会があってクイーンズランドで何度か食べたが中々旨い。勿論日本でもスーパーに並んでいれば手に取る事もある。
BSEの心配が取りあえず無いのもあって、今はすっかり定着しているが、そこまでの道程はそれ程簡単では無かっただろう。

オーストラリアはそれ程知られてはいない国の一つだろうからだ。
せいぜいコアラとカンガルー、ちょっと知っててエアーズロックとグレート・バリア・リーフとアボリジニ。
サーファーと新婚さん以外ではゴールドコーストは用事も無かったろうし、AC/DCやカイリー・ミノーグは出て来てもミッドナイト・オイルまで出て来るのは余程の"通"だろう。

しかしケアンズの美しさやブリズベンの荘厳さ、シドニーの近未来的な佇まい、人々の真面目さやフレンドリーさ、食べ物の旨さなどは知る人は誰もが諸手を挙げて賛同する程の素晴らしさだが、知られるまでには実は相当の時間を必要とされた筈だ。

これは日本がアメリカ文化圏に入っているからで、「えー??何でオーストラリアなの??西海岸の方が良くない??」ってな会話は多分今も相当されているだろう。
勿論オーストラリアの良さを知りつつ、でも私はアメリカ西海岸が良い、とか、プロヴァンス、あるいはエストリル(これは"通"だ!!)が良い、と云う向きもいる訳でこれは単純に好みの問題だ。
海岸線の長さを競う事は何の意味も無いし、交通手段においてもそう。リゾートってのは要するにそこでどれ程リラックス出来て、どんな好い事に出会えるか、が問題なのである。
しかし、場所や国が持つステイタスを第一の魅力に上げる向きもいる。それはそれまでの歴史の中で培われたものだから、否定は出来ない。
ただそこに執着し過ぎるのは、これだけ世界が広くなった今、少し滑稽にも見える。

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このblogでも何度も出ている話題だが、この数年、具体的には2年程前からだろうか、台湾製管楽器の品質の向上が目覚ましい、と云われている。

「琉球新報」にこんな記事が乗った。
何でも全世界のサックスの1/3が今や台湾製だ、と云う話さえある。
製造コストが比較的安価で、そこそこの技術水準だから、実は有名各社こぞってOEMらしい(但しYaniは純国産を貫いておられる)。
ベーシックな部分のみ、からほぼ完成品まで、様々な形態で"下請け"が行われている。
しかも皆工場が近所らしいので、「おまえん処でやってたあの仕上げカッコいいな!俺ん処でもやってみるよ!」とか「あそこの加工どーすんだ!?」だの、現場レベルでの技術交流も僅かだろうが起こっているらしい。
(それぞれの工場の独自ブランドでパーツの形や仕上げが似て来るのは、この辺に原因があるのではないか??)
大手ブランドの下請けを受ける場合であれば、きちんとクオリティコントロールがなされている。

日本からも技術指導の為、技術者、設計者が多数渡って、ハイクオリティな楽器を生み出す為、日夜努力なさっている、と聞く。
年々技術水準もあがり、工業製品としては問題無いレベルまで持っていっている事は既に製品が証明しているだろう。
OEM発注元の有名ブランドも「このレベルならウチの名前を付けても問題ない」と云う判断をしているだろうし、胸張って台湾製、と謳っている幾つかの優れたブランドの品質は、既存の有名ブランドを脅かす存在にもなった。

いや、「○○(超有名ブランド)の○○○って機種は、台湾製らしいぜ!」等の便所の落書きのような話をしたい訳じゃない。
識者が見れば明らかなものでもあるし、自分が持っている情報も定かではないので書くのは控えるが、つまり今や"MADE IN TAIWAN"は管楽器の世界では一つのブランドパワーさえ持つようになったと云う事だ。

「安かろう悪かろう」とは、かつて日本製品が欧米を駆逐した際に云われた事だ。
同じ事が今、"MADE IN TAIWAN"で起こっているに過ぎない。

実は、日本でも30年程前の"フォークソングブーム"の頃には同じ様な事が起こっていたのだ。
とりあえず猫も杓子もフォークソングだったので、とにかくギターが売れる!
だから当時は昨日迄下駄や箪笥を作ってた木工工場までが有名ブランドのギターの部品の下請けやら、場合によってはOEMで本体迄勢い作りはじめる事となった。
そこから生み出された楽器は、日本国内は云うに及ばず何とフォークの本場アメリカのギター産業を支える程の供給量と品質の高さを誇った。現在でもアメリカの楽器店では日本製の楽器が非常に多い。しかも高級品として売られている。ヨーロッパでは顕著だ。
(最近では韓国、台湾、中国製が相当増えてきているが)
木曽〜浜松の天竜川添い、あるいは長野など木工の盛んな地域では、そんな事もあった訳だ。
勿論"玉石混合"で、どうにもならないハリボテ様のものから、中には今ではプレミアまでついている隠れた名器も生まれたようだが、当時云われたのは「やはりMartinだよ」の一言。
(これを「やはりSelmerだよ」に云い代えると、今のサックス業界と同じになる)
しかしながら、そんな状況の中でも切磋琢磨、淘汰の結果、今や日本のギターの工作精度は掛け値無しに世界でもトップクラスだ。
良いものはどんどん生まれているのだが、しかし半可通は「所詮は日本の建具屋の仕事」「大量生産の廉価版」と揶揄する事も多い。
日本の建具職人の技術の高さ、木工の大量生産の難しさ、を知らないのは可哀想にも思えるし、云ってみればMartinの工場ですら普通の木工職人の集まりなのだから、あまり声高に云うのは避けた方が良いとは思うのだが。
(勿論気候風土、材料云々、文化的な背景など如何ともし難い背景があるのは重々承知の上だ)


台湾製サックスについては、未だ未だ"玉石混合"である事は否めない。
映画「ブラス!(Brassed Off)」で、生活力が乏しく家の中でもめた末、妻と子供に逃げられつつ新しい楽器を買ったと入院中の義父(バンドマスター)に見せにくる青年が出て来るが、その楽器(トロンボーンだったが)のブランドは台湾製だった。
それをみた義父は「いい楽器だ…」とつぶやくのだが「えー!!??そりゃーねーだろ!!??」とツッコんだのは自分だけではないはずだ。

台湾製、とは以前確かにそう云う存在ではあった。
今でも十把ひとからげに"台湾製はねぇ…"と云う向きがある事は事実で、いくら現状良いものを作っていても認知すらされない事も多いし、未だ未だ広まってはいないし、やはり先駆者との厳然とした"差"も感じる時がある。
しかし、自分としては台湾製ながらも良いものに出会った以上、それを含めて云われるのもあまり気持の良いものではない。
幾つかのブランドについては既存の超有名ブランドに勝るとも劣らないレベルで製品を送りだしているし、海外、国産ブランドのOEM製品でもきっちりしているものも多い。

誤解されては困るがOEMや"孫受け""ひ孫受け"を否定するつもりは毛頭無い。
要するにそれぞれの段階でキチンとしたクオリティコントロールがなされていれば何の問題もないのだ。

日本国内だってあらゆる産業で日夜発生している訳だし、その段階事にコストが発生している。コストが発生する、と云う事はその段階での従事者が潤おう、と云う事になる。
狭い業界で沢山の従事者がいる場合、そうでもしなければその業界そのものが食っていけなくなる。
そこに流通を絡めても良い。運ぶ事は必要な訳で、運ぶ人達だって食わなければいけない。
本来、一つの製品に掛かるコストと云うのは、その背景にある膨大な人々の生活と、品物の安定供給体制、保証体制、次世代製品を作り出す為の投資、とを支えている。
だからマトモにつくったら法外なコストが掛かっている所、それぞれの段階でギリギリの収入に押さえているからこそ、市場の価格が安価に抑えられている。

それは企業努力、と呼ばれたり、職人の心意気、なのかも知れない。「お互い様」「お陰様」だ。
日本製品が成長してきた陰には、そんな処があったように思う。

かつてそれぞれの国内だけで行われていた事が、市場の拡大に伴って、世界規模で行われるようになった、と云う事だ。
流通革命なんぞあったものではない。そんなものはまやかしで、ただエリアが拡がっただけだ。


最近、噂では"MADE IN TAIWAN"の表記だけ欲しいが為に、刻印部分のみを台湾国内で追加するケースもある、などと云う話さえある。
牛肉の産地偽装みたいなものに見えるが、経由して加工しているので偽装では無い。
既に(世界的には)信頼を得ている"MADE IN TAIWAN"の名前なら、売れる。収入もあがる訳だ。
もしこれが本当ならば、嘆かわしい事だし、商魂逞しいなぁと失笑を禁じ得ないが、それ程までに今や"MADE IN TAIWAN"はブランド力を持って来ている。その事実は誰も否定出来ない。


既存の有名ブランドを含め、サックスの業界は今活況を呈している。しかも相当良いものが相当安く手に入る。
重要になるのは、選ぶ目、見る目、聴く耳、そして自由な発想と柔軟な価値観だ。
自分の感性を総動員して、その時々でのベストチョイスをして欲しいと思うが、今の様に選択肢に恵まれた状況は実際これまでは無かったろう。
そんな中で「どれが良いんですか?」と聞かれる場合は、最初に「保険の意味で有名なものにしておけば?」と一言で答える事にしているが、例えば「Cannonballってどうですか?」とか「Cadesonって知ってる?」と云う聴き方をされれば、それはね…と長々話す事になる。

ここでも誤解の無いように記すが、所謂3大メーカー+ドイツ・ヨーロッパラインの楽器を否定する気などさらさら無い。
どれもが素晴らしい出来のものだ。欲しいものも沢山ある。Yani A9937PGPは憧れの的だし、例のインダービネンもそそるものがある。
ただ、自分がたまたまあるタイミングで出逢って、持ってみて音を出してみて、尋常ならざる手応えを感じ、経済的なハードルをどうにかクリアしつつ、長く付き合っていけるな、と感じた楽器がたまたま台湾製だった、それだけの話だ。
巧くすれば今後もずっと付き合って行けるし、その良さはいつもアピールしたい処だ。
「やっぱそのCannonball、良い音してるね」と云われる事が最近多くなったが、「やっぱ楽器が良いからね!」と答える事にしている。事実そうだからだ。
折角良い音が出る楽器に出逢ったのだから、良い音を出そうとしなければ意味が無い。
実際、"ショボイ音"の責任の半分以上はプレイヤーだ。
そんな考えに行き着いたのも今の楽器に出逢ったからで、幅広い視野と柔軟な価値観を持つ事、そこから派生する様々な発想を得る事も出来るようになった。
楽器のせいに出来ない、そんなレベルの楽器を台湾では作り始めている
勿論今の楽器以上に素晴らしいものも沢山ある訳だが、これまでに増して多角的な見方が出来るようになったし、様々な前提を踏まえつつ、フラットな目線で見れるようにもなった。

既存ブランドはやはり良いものを送り続けている。新興勢力も力をつけて来ている。良いものが増えてきているのも事実だ。
個人的には国産ブランド2社には本当に頑張って欲しい。どちらも好きなブランドだ。
いつの世もやはり良いものが欲しい、と思うのは常だが、やはり良いものは良い、と認める事が、より大事になってきているのだろうと思う。更にはどの部分が良いのか、をユーザーが自分の感性で見つけだす事も大事だ。
そして良い、と思ったものには充分なペイが与えられる事も大事だ。ブランドはそれがあって初めてより良いものへ向かう事が出来る。金だけの問題では無い。認められた、と云う実績が前へ進ませる事が出来るのだ。
そして自分が良い、と思うものを人から見ても"良いもの"に出来るのは、使っている自分だ、と云う事だ。
自分が気に入った楽器を良い音で鳴らす、そしてその音が認められる、それはもうプロ、アマ関係の無い所だ。

これぞ、と思って惚れた女性が綺麗になるのは、そりゃ悪い気はしないもんだろう。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
>D-Oさん

 こんばんは、トラックバックありがとうございました。当方からもトラックバックさせて頂きました。よろしくお願いします。

 ブランドというのは、もちろん今まで培ってきた実績から生まれるものなんだから、信頼されてしかるべきなんだろうけれど、でもそれを盲信するのは「他のいいもの」に目がいかないことでもあり、いわばある種の「思考停止」と同じであることに気をつけたいですね。また、ブランドばかりが一人歩きをして、個人の到らぬところを隠してしまうだけでなく、個人の長所すらも隠してしまう点(例えば、その人が上手くても上手くなくても「おー、アメセルの音!」ということで一括りにされてしまう、など)にも注意が必要だと思います。
いずれにしても切磋琢磨の中で、「より安価」で「より高品質」な楽器がもっと増えて欲しいと思います。それは私たちの共通の願いなんだと思います。
山崎隆之(元・あぱあぱするすけ)
2005/07/02 23:07
>>山崎さん
コメント&トラックバックありがとうございました。
ブランドによらず、プロ・アマによらず、良い楽器は良いプレイヤーを育て、良いプレイヤーは良い楽器を育てる、って処はあると思います。
昔は本当に限られたものしか無かった訳ですが、今やその範囲は爆発的に広がっていると思いますし、それは既存のブランドだけではない範囲ですね。
山崎さん始め沢山の方が、視野を広く、柔軟な発想に基づいて良い楽器に出逢っている訳ですものね。
仰る様に「より安価で」「より高品質」な楽器がもっと増えて欲しいですし、そう云った楽器がもっと「より認められる」ようになって欲しいと思います。
D-O
2005/07/03 18:21

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