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zoom RSS ★YANAGISAWA METAL#7-vol.2("提言シリーズ"番外編2)

<<   作成日時 : 2005/06/09 10:11   >>

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自分の場合、どうも#7を#6に換える事で落ち着きそうだ。

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このエントリーは公開から3年以上経過していますが、アーカイブ化までの間現状のまま公開致しております。
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先日自分のテナーの調子を診てもらいに楽器店へ出向いた際、丁度在庫でYanagisawa Metal#6があったので試奏したい旨願い出て、5〜6分程だったが音を出させて貰った。
オープニングが#7位にもなると流石にテナーらしい太い音がしてくれるのだが、反面これまで若干扱い辛かった事もあった。
先回の後半に書いた"ギリギリの中での裏切り"、これは単にマウスピースの持つスイートスポットと自分の一番吹き易いポイントがずれてしまう、と言う事なのだが、今回の#6を試奏して、それが全く感じられなかった。
アルトと同じ感覚、云い換えればLAMBERSONやDukoffを吹いている時と同じ感覚で行ける。
非常にコントローラブルだしシャープでスピード感がある出音だ。
あの"ギリギリ"の部分のずれ方が少ない。マウスピースの持つレンジを広く使える。

先回にも書いたがYanagisawaのマウスピースは非常に個体差が少ない(吹奏感における個体差)ように思う。けれども全く無い訳ではなかろうから、たまたまそれが良かったのかも知れないが、これまで苦労していた部分が嘘のようだ。
このリードでこの吹き方でこうだから、じゃあこれならこんな風に吹いてみて、それに合わせるリードはこれで、マウスピースパッチは何mmのを貼って若干音を丸くして、それからリガチャーは…と次から次へと音作りのアイディアが出て来る。
しかしながらテナーらしさ、豪快な太さ、重さは若干薄れている…。

メインはアルトなのでテナーはあくまでサブ楽器としての位置付けなのだが、それでもやはり演奏する際にはテナーらしい音がして欲しい。
特にソニー・ロリンズ、スタンリー・タレンタインやイリノイ・ジャケー、キング・カーティスなどをアイドルとしているので、豪快な"音マッチョ"な方面の音が欲しい。
(その割にはP.YaniT901と云うライト級を選んでんじゃん!と云う不粋なツッコミは無しにして欲しい。別項を参照頂きたいし、それに人それぞれ已むに已まれぬ事情があるのだ)
そのこだわりからどうしてもセッティングの指向は"大排気量系"になってしまっていた。
(ここでエリック・アレキサンダーやハリー・アレン、ジョシュア・レッドマン、或いはスタン・ゲッツ、或いはマイケル・ブレッカーの名前が出ない処で、指向は推察して頂きたい。ジョン・コルトレーンは名前を出すだけでも畏れ多い)
アルト程ではないにしてもテナーについても幾つかのマウスピースを渡り歩いたのだが、常に"アメ車"的なものを求めていたのだ。
しかも"テナー=Ottolink"の図式(これは"アルト=Meyer"とも云い換えられる)に反発する天の邪鬼の虫が働くものだから、常にそこは外して来ていた。
(誤解を恐れずに云えばOttolinkは"おっさん臭い"イメージがあった。ユーザーの方には申し訳ないのだが)

ダイヤメーターで見れば(メーカー公表値)ティップのオープニングでたかだか0.23mmしか違わない訳だが、明らかにバランスが違う。
オープニングに合わせて中の作りも変えているのだろう、とも思ったが、その時に並べて凝視する事はしなかった。
常々"マウスピースは吹いて選ぶ"事をしていたし、人にもそうして薦めていたが、いざ自分の事となると"大排気量系"への思いが先入観になり、マウスピースはより大きく、リードはよりフリーなものへ、と云う方向性を選ぶようになっていた。
ESMやLarsenを吹いていた時もより大きいものを選んでいたし、リードも「まぁ、開きが大きくなるんだから」と腰砕けにならない程度に薄めを選んでいたつもりだった。Yanagisawaで買い替えるなら、今度は#8か#9か、とも考えていた。

しかしながら現在の状況では、それは過っていた、と云う事になる。自分にとっては#6の方が自由度が高かったからだ。
そう。テナーらしい音も大事だが、まず自分が演奏の時により自由になる方が先なのだ。自分で自分のバランスを崩していた。
そんな根本的な事をここまで見落としていたのかと冷や汗が出る思いなのだが、事実なのだから今更仕方が無い。
又、最近「Yanigisawaの"番手"の感覚は、他のブランドとはちょっと違っているのか」と云う点が気になっていたと云う事もあり、個体差の部分はありつつ、その興味をもそそられる事になった。


"番手"は本来各メーカーの独自の基準で勝手に示されたものなのだが、アルトの場合のMeyerの様にある程度デファクトになっているものに習う節もある。
又、web上や各楽器店においてある、各メーカー毎のマウスピースの"開き"を一覧にして、比較が出来る様にした"フェイシングチャート"も、実は色々あり過ぎて困惑する事もある。
有力な参考資料にはなりうるのだが、オープニングの開きの数字だけでは吹き心地や反応の仕方なぞ本来は判らないのだし、そこに"あなたにはこれが向いてるよ"、てな事は書いていないからだ。

"番手"で示されるマウスピースの"開き"、つまりティップオープニングはフェイシングの長さとカーブによって作られる。
マウスピースにはリードを取り付ける"テーブル"と呼ばれる場所から、先端部である"ティップ"に向かって、息が入り込む隙間である"ティップオープニング"を形成するカーブがある。
このオープニングが広ければ、息を大量に送り込め、音程のコントロールにも幅が出てくる訳だが、そのカーブの仕方、とカーブを形成する"距離"…これを"フェイシング"と呼ぶ。

リードは基本的にこのフェイシングの長さの分振動する事になる。実際にはフェイシングそのものが曲線だし、下唇との兼ね合いがあるのでフェイシングの長さよりも短くはなるのだが、このフェイシングの長さとカーブが吹奏感に及ぼす影響、特にリードとの相性を云々する際には大きなポイントになるのではないか、と思うのだ。

「何の事は無い。開きの狭いマウスピースには厚いリード、開きが大きいものには薄いリードを合わせろ、って事じゃん。何を今更云ってんの?」と仰る向きもあろうが、その根拠はどこにあるのだろうか?
意外に何となく、ではなかろうか?ティップオープニングの数字だけで判断される事が意外に多いのではないだろうか?
吹いて選ぶにも、どこから手を付けて良いか判らない、とか、とりあえず先輩に云われたから3 1/2で、と云うケースは少なくない筈だ。
そこから"ドツボ"にはまる場合も少なくない。現に中学生・高校生でその辺の悩みを持っているケースはとても多い。

本当の意味でリードとマウスピースの相性を云々云い始めたら、それこそウィンドウの大きさやレールの幅、バッフルやチェンバー、もうありとあらゆる要素が絡んで来る。
バッフルで息が加速され、チェンバーに息が流れ込む勢い、チェンバー、スロートで生まれる抵抗感。
それはリードを振動させる息の対流に大きく影響するはずだからだし、息が入り込むにはオープニングだけでなく本来ウィンドウの大きさの影響は小さく無い。
レールの幅が細ければ、ウィンドウの大きさに対してリードに当る息の量が多くなるし、広ければリードの"芯"の部分に息を集中して当てる事になる。
また、根本的にマウスピース全体の精度はリードの効率の良い振動には必須の要素だ。
その上"奏者"と云う不確定極まりない要素が絡んでくる訳だから、一般的な正解を見つけよう、とは思ってはいないし、他人に勝手に決められるのはどうも気に入らない(w
自分で決めつけるのも嫌だ。自分のコンディションや指向など、常に変化しているものがある訳だから、あくまで現在の時点での結論になってしまうからで、普遍性は持たないからだ。

そんな中でもやはり自分の中での「基準」作りは重要なのだ。「目安」と云い換えても良い。あくまで自分の感覚によるものになる訳だけれども、何かそこにもう一つ二つ検討材料も欲しい。
そんな事を考える様になっていた矢先に、Yani#7と#6の比較試奏のチャンスが来た訳だ。

#7と#6の試奏だが、リードはVandoren ZZ#3の全く同じ物を使った。
この2つのマウスピース、フェイシングの値はメーカー公表値では全く同じ24mmとなっている。
と云う事は#7の方がよりフェイシングのカーブがきついもの、と云う事になる。

自分と云う要素、リードと云う要素が全く同じ条件で、これ程までに違うのか、と本当に驚いたものだ。
その2つ是非並べて検討したいのだが、未だ#6は店頭にある。金が無くて買えないのだ(w
しかし、あの味を占めたからには、万難を排して近日中に入手してみようと思う。
勿論演奏活動の為ではあるのだが、比較について、又、勿体ぶっている"仮説"云々について、自分なりに検証した結果は又、掲載させて戴きたい。


実はここまでは"枕"なのだ。

本当は今回の3倍程のテキスト量を書いているのだが、様々な要素が自分の中で未だまとまって来ない。
又、幾分時間を戴いて整理をした後、改めて掲載させて戴きたいので、ここから先は次項に譲る事にしよう。

尚、今回の記事については
ラリー・ティール著「サクソフォーン演奏技法」大室勇一訳  サミーミュージック刊
デイブ・リーブマン著「サクソフォーン上達法」川里安輝子訳 全音楽譜出版社刊
株式会社プリマ楽器・柳沢管楽器株式会社「Prima Yanagisawa Saxophone Catalog」
及び
H.Selmer.Paris webサイトを参考にさせて戴きました。

(続く

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★サックスの"マウスピース"(2)
などと書き始めたが、自分自身は別にマウスピース評論家でも専門家でも何でも無いし、あまつさえ目指そうなんて思ってもいない(w ...続きを見る
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2006/05/29 10:51

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