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zoom RSS ★初心者の"Dukoff"…購入検討者への提言(9)

<<   作成日時 : 2005/05/26 11:12   >>

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□6:楽器以外の"相棒"を探す(3)…マウスピース編-その1-

このマウスピース編では幾つかの項目について話を進めたい。

尚、以下の記述はアルトサックスを想定している。他の場合は事情が異なると思うので、適宜読み替えて頂きたい。

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このエントリーは公開から3年以上経過していますが、アーカイブ化までの間現状のまま公開致しております。
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その1)初心者が"いきなりDukoff"で挫折しない方法

最初に再度Dukoffネタを取り上げてみた。
別項「Bobby Dukoff D series」のアクセス数が掲載期間に比べかなり多かった。
これはやはり潜在的なDukoffフリークの多さ、Dukoffをどうにかしたい、と云う閲覧者の多さから来るものだろう。
他人はどうやってんだ?と云うのもあるかも知れない。
そこで別項の番外編、として、又この次の項の内容にも関わる幾つかの事が出て来る為、マウスピース編の導入として今一度Dukoffを取り上げたい。


以下、前項からの続きである。

*この記事の内容はあくまで個人の感想のレベルであって、特定の企業、製品について、なんら恣意的なものは含まない事をくれぐれも御承知置き頂きたいし、読者に内容を強制するものではありません。
実際の購入に関してはあくまで読者自身の判断によるものとし、このblogの管理人、記事内容、およびbiglobeは何の責任も負わないものと致します。
以上を御理解頂けた方のみ、ここから先の記述をお読み下さい。

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別項の冒頭でも呼び掛けたが、おそらく"いきなりDukoff"で、その後机の引き出しにしまったままの方も多い事だろう。
マウスピースそのものについては別項を御覧頂きたいが、経験者の多くは"いきなりDukoff"を否定する向きであろうし、事実自分も初心者に"いきなりDukoff"を持って来られたら相当に戸惑うだろう。
しかしその反面、このblogでは"いきなりDukoff"(勿論これは"いきなりARB"でも"いきなりLink"でも良い)は一部肯定したいと思う。

その根拠、つまりはこういう事だ。ここでは2つ挙げよう。

○根拠その1:"いきなりDukoff"はOKでも"いきなりサンボーン"にはなれない、事を心に留める
○根拠その2:初心者でも吹ける条件を整えればOK

以下、これについて説明したい。
しかし勘違いして欲しくないのだが、これを読み終わった直後に思い通りに吹きこなせる訳では無い、と云う事だ。
中には、本当に最初に手にしたマウスピースがDukoffであるケースもあるだろう。その場合には御一読の後、是非筆者宛連絡が欲しい。とてもとてもweb上の話だけでは収まらない筈なので、問題点を一緒に考えたいと思う。
"いきなりDukoffを「吹ける」方法"を示したい処だが、ちょいとばかり相手が悪いので、これまで自分が使ってきた中で見つけた"巧く付き合っていく方法"を示してみたい。
既にDukoffを思うがままに操っている方であれば、その方なりの"付き合い方"があったろう。
それも是非伺ってみたいのだが、まずは自分のケーススタディに基づき話しを進めたい。

○根拠その1:"いきなりDukoff"はOKでも"いきなりサンボーン"にはなれない、事を心に留める について

これは"いつかはサンボーン"と云い換えても良い。
つまり、いきなりDukoffを手にする事で練習に対するモティベーションが向上・維持されるのであれば、その効果は無視出来無い、と云う事だ。
個人的には、これが"いきなりDukoff"の最大の効果と思っている。
練習、技術向上に一番大切なのはモティベーションである。限られた時間、環境の中で練習効果を上げて行く為には、練習の際のモティベーションが何より必要になる。
Dukoffがその為のツールとして使えるのなら、使ってしまった方が良いのでは、と思うのだ。

通常、楽器を購入すればマウスピースは付属してくる。それは非常に有効なものなので大切に取っておいて欲しい。
練習においては、普段は楽器を買った時に付いて来たマウスピース等で、姿勢を整えたりブレスの練習をしたり、あるいはロングトーン、フィンガリングの基本練習をする中、毎回少しずつDukoffを使って練習をする事でよりモティベーションを高めて、徐々にDukoffを使う比率を多くする事で、練習効果も高めてかつマウスピースにも慣れて行く事だろう。
その中で奏法が及ぼす効果がマウスピースでどれだけ違って出るのか、を体感しながら、整った奏法の重要性を学べるとも思うし、奏者自身でも成長の度合いが測れる事だろう。
リードの選択やリガチャーが及ぼす効果などセッティングについても得るものは少なく無いはずだ。
厳しい部分としては、理想と現実のギャップをまざまざと見せつけられる訳だが、逆に課題や問題点も見えてくる部分もあろうと思うので、そこも練習に対しての励みにもなろうし工夫や改善も出来るはずだ。
例のファズトーンにしてもピッチベンドにしても、平たく云えば「出し方のコツ」の基本は他のマウスピースでも一緒なので充分に練習するのが望ましい。Dukoffはそれがちょっとばっかり出し易いだけだ。

又、あくまで一人で練習する場合、様々試行錯誤が繰り返されるであろう。
その中で曲の練習等でDukoffではどうしても巧く行かず、落ち込んでしまう事も多いだろう。
そんな時には、当たり前の様だが楽器の付属マウスピース、標準的なマウスピースで基本的な練習に切り替えると良い。
サンボーンやキャンディなどDukoff使いは、マウスピース始め楽器のコントロールが非常に巧い。
それはつまり基本的な事が全て身に付いているからだ。
Dukoffでは様々なニュアンスがかなりの割合で「増幅」「加速」されて出て来る傾向があるのは別項で触れた。
「感情加速装置」であるDukoffを制御する、事は自分をコントロールする事と同じだ。ブレスにしてもアンブシュアにしても然り。
いきなりあのイメージで吹こうとすると、それは何の準備も無しにF1カーでモナコGPを走る事と同じで、かなり無謀、と云う事だ。
基本的な練習は全てDukoffのコントロールに正に直結している訳なので、そこを忘れない限りは練習時の精神的負担も軽減されるだろう。最近良く云われるロングトーンの是非、についても、呼吸法、アンブシュアの訓練には有効だと思う。

特に初心者の方の場合、アンブシュアが未だまとまらないうちにマウスピースを頻繁に替えるのは、本来得策では無いと思う。
しかしながらそもそもの楽器の保持、姿勢、ブレスコントロールなどの点が整っていて、その都度適切なアドヴァイスが得られれば、皆が云う程の無理も難しさは無いとは思う。
この辺りは是非、経験者に指導を仰ぎたい所だ。
(但し吹奏楽関係者ではDukoffと聞いた途端に顔をしかめる方々も多くいらっしゃるので、声を掛ける相手は吟味された方が良いだろう)

今一つの根拠は以下の通り。

○根拠その2:"初心者でも吹ける条件を整えればOK"について

条件とはつまり
 ・そのプレイヤーの事情にあったマウスピースの選択(開き、吹奏感)
 ・そのプレイターの事情にあったリードの選択
 ・マウスピースパッチ、ティースガードなどを使った吹奏感の向上対策
  がなされた上で、
 ・適切な姿勢、ブレスコントロール、アンブシュア含め適切な練習、指導を受ける事。

いや、当たり前と言い捨てないで欲しい。
Meyer系やSelmerなど標準的なマウスピースでは、マウスピースが持つキャパシティが大きい様に思う。
誤解を恐れずに云えば、どう吹いてもそれなりの音でそれなりに吹けてしまうし、好き嫌い良い悪いは別としてどうにか納得出来る範囲の出音は得られる。
出来の良いマウスピースはそう云う物で、云わば"スイートスポット"が広い訳だ。
ところがDukoffは比較的その"スイートスポット"が狭い様に思う。
風吹裕矢のロータスヨーロッパツインカムターボのレスポンスが回転数にシビアな様に、だ(加えてフロントスタビライザーを打たない様なシュアなドライビングも必要)。
その狭いスイートスポットを活かす事がDukoff克服の大きなポイントである、と思うのだがどうだろうか?

それにはまず適切なセッティングが不可欠だろう。その為には最初にマウスピース自体の選定から始まる。
幾ら憧れるアーティストが"8番"を使っていても"5番"を使っていても、自分にそのまま合うとは限らない。
あくまで試奏を通じ、これは、と思うものに出会う迄は、作りの点も併せて選定を繰り返す。
特にDukoffは番手が当てにならないので必須の作業だ。
本気でDukoffが欲しいのならば、販売店に相談をし、複数の個体を取り寄せて貰うなり在庫を全て見せて貰うなりの交渉をすれば良い。
初心者がいきなりDukoffで挫折してしまう最大の要因は「吹き辛い」事だ。
これは前項でも触れているが、Dukoffの場合それはマウスピースのキャラクター設定と作りの悪さに起因するし、それがスイートスポットの狭さに通じる。
リードの選択も含めて、その吹き辛さを軽減させる事がある程度出来れば良い。
自分はこれまでVandoren V16、ZZ、Java、Rico、LaVozなどアメリカンカットのリードを中心に試した事がある。
個人差もあり、好みの問題でもあるので一概には云えないが、それらは概ね合う様に思う。
好みの厚さ(番手)が判っていればそこから先は早い。同じカットの幾つかの製品を比べて、マッチングの良いものを選ぶ事になる。勿論実際にDukoffと合わせてみて最終的な選択とする。
(この、マウスピースとリードの"相性"については後日別項で改めて述べたい)

又、非常に基本的な事だが、リードの取り付け方、リガチャーの締め方一つでも吹奏感は大きく変わる。
別項で触れようと思っているがこれもセッティングに含まれるので、今一度確認される事をお薦めする。

それに加えて、更に他のツールを使って吹奏感の向上を計れれば尚良い。
通常良くあるSelmerやMeyerとは比較にならない薄く細いボディは銜え辛く、マウスピースを支える事に慣れない内はつい噛み過ぎてしまう。
その為、唇を傷めたり、噛み過ぎて例の「超音波」を頻発する事にもなる。
金属の硬い感触は慣れるまでかなりかかるだろうし、上前歯に伝わる振動はラバー系の比較にならない程ストレートかつ大きいものだ。
その解決策として、下前歯には"ティースガード"を被せ下唇の内側を保護し、加えてマウスピース上部には"マウスピースパッチ"を貼る事で上前歯のクッションを作る。それぞれがどんなものか、は楽器店等で確認して欲しい。
ここまでで以前とは比較にならない程楽に吹ける筈だ。

更に(これは独学では非常に難しい部分だが)、客観的に見て適切な姿勢を作る事、きちんとしたブレスコントロールが出来る様な訓練を積む事で、よりDukoffが思い通りに使える様になると思う。
最近は流石に少なくなったとは思うが、どうしてもサンボーンフリークは必要以上に斜に構えてしまう傾向があるのだが、あれはサンボーン自身の為に最も効率が良い姿勢であって、万人に当てはまる訳ではない(自分で書きながら反省)。
楽器を構える位置、姿勢は体に最も負担が掛からない様にもっていくのが良い訳で、それはフィンガリングは元より充実した音には欠かせない深い呼吸、スムースなブレスコントロールが可能になる事に繋がる。

又Dukoffの場合音のキャラクターのイメージが強過ぎるので、いきおい吹き方も力んでしまうがちになるのだが、全く反対である。
Dukoffのスイートスポットを活かす為には、微妙なブレスコントロールが必要と思う。
特に息のスピード、圧力については、中庸よりも弱い所から探って見ると、概ね良い結果が出ると思う。
前述したがDukoffはブレスも含め様々なコントロールで出るニュアンスが「増幅」されて(云い換えれば非常に効率良く形になって)音に反映される。
殊に「臨界点」前後の絶妙な表情付けは、繊細なブレスのニュアンスを要求される。
その為には呼吸法もある程度身につけた方がベターだとは思う。
姿勢、ブレスコントロールについての基本を身につける、これはどんなマウスピース、どんな楽器においても同じ事なのだがDukoffはかなり極端に反映されてしまうので重要度は更に高くなる。

アンブシュアについては、人それぞれ本当に事情が違ってくる事からweb上でとやかく云える事では無い。
但し、
 *銜える場合はリードを振動させるに充分な深さを取り
 *前歯、筋力バランスなどの見地から、可能な限り体の正中線上にマウスピースを置き
 *自身の上下の前歯の噛み合わせに即した角度、深さ。極端な場合は顎を傷めるので避ける。
が望ましい事だけは云える。
特にDukoff特有の、瞬発力のある一撃は、絶妙なブレスコントロールがあってこそ、のものだと思う。
それを活かすにはやはり良く訓練されたアンブシュアで無いと自分の息圧を受け止め切れない。
その為にもダイナミクスを付けたロングトーンはやはり有効な練習方法だろう。
又あの細いボディを支えるのもやはり大変だ。口で支えようとすれば無理が来る。
良い楽器の支持が出来る様になる方が楽だ。

しかし、時々楽器を斜にしたくなるのであれば、それは仕方無いのでちょっとだけならやってしまおう。
"ルックスから入る"のは悪い事では無い。


しかし、どんなマウスピースを使った場合でもそうだが、いきなり巧くなったり、いきなり良い音がしたり、などと云うのは余程の事が無い限りあり得ない。それまで余程無理のあるものを吹いて来たなら別なのだが。
Dukoffに関してもそうで、基本的には自分が今出来る範囲の事しか音には反映されない。
それどころか良いも悪いも「増幅」されてしまうので厄介だ。
しかしながら、ストレスになる部分を幾らか減らす事は出来る。自分の場合はこれまで述べた事だった。
まあ結局は"黙って暫く練習しろ"と云う事なのだが、やみくもにやったのではあの「じゃじゃ馬」は云う事を聞いてくれないので、他のマウスピース以上に冷静に、かつストイックな姿勢は要るのではなかろうか?

どれ位の練習で吹けるようになるか、なんて事には答えられない。自分もこれまでは基本的に週に1回のペースでしか練習が出来なかったからだ。
しかし、数年前にほんの一時だったがSelmer S90-190あたりで基礎練習をまとめてやる機会があり、その後はDukoffもスムースに吹ける様になった覚えもある。
現在もSelmer S80 C☆で調整をしながら、Dukoffでの練習もしている。
基本の大切さ、と云う所に落ち着くのだろうか。

そしていつかは"あの音"を手に入れる訳だ。勿論Dukoffはその最短距離だ。

(続く

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などと書き始めたが、自分自身は別にマウスピース評論家でも専門家でも何でも無いし、あまつさえ目指そうなんて思ってもいない(w ...続きを見る
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2006/05/29 10:51
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一応、メタル編も。こないだDukoffについて書いたばかりだから、昨日の今日なのだけれど、書かないと何か収まりが悪い気がするだけなのだ。 ...続きを見る
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2006/10/22 21:23

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