HIGH BLOW

アクセスカウンタ

zoom RSS ★サックスの"試奏"(後編)…購入検討者への提言(4)

<<   作成日時 : 2005/05/12 14:38   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

"枕"は無し。
以下、前項からの続きである。


=============
このエントリーは公開から3年以上経過していますが、アーカイブ化までの間現状のまま公開致しております。
=============

*この記事の内容はあくまで個人の感想のレベルであって、特定の企業、製品について、なんら恣意的なものは含まない事をくれぐれも御承知置き頂きたいし、読者に内容を強制するものではありません。
実際の購入に関してはあくまで読者自身の判断によるものとし、このblogの管理人、記事内容、およびbiglobeは何の責任も負わないものと致します。
以上を御理解頂けた方のみ、ここから先の記述をお読み下さい。

--------------------------------------------------------------------------------------

2)試奏


予め都合をつけた時間に、"味方"共々(現地集合でも勿論可)出向き、いよいよ「お見合い」開始である。
ショーケース、あるいは真新しいケースのビニールの中から、幾つかの楽器が目の前に並ぶ事になる。
かなり興奮も、幾分緊張もする場面だ。

さぁ、まず最初に自分が持ってみよう。手袋をし(最近しない処も多い)、ストラップを借り、マウスピース、リードも借り(勿論持ち込むのがベスト)息を入れてみる。
正しい姿勢や持ち方も教わり、構えてみる。楽器店スタッフは幾分心配そうな空気もありつつ、自分も緊張しながら実は結構御満悦な時間だ。

そこで一番大事な部分は「自らが感じる」事だ。
そのポイントを幾つか挙げよう。

・"重さ""大きさ""息の抵抗感"を感じる

 楽器と云うもの、同じように見えて意外にブランド、機種毎に重さや大きさの感覚は異なる。
 「え!?こんなに大きいものなの?」「こんなに重いの!?」と感じる事などいつもの事だ。
 テナーサックス、バリトンサックスの場合は特にそうだろうし、ソプラノサックスの場合は右手親指の負担が大きい事に気付くはずだ。
 それにキーのレイアウトの違いも大きい。
 レイアウトとは左右の指が乗るキーの付き方(配置)の事で、自分から見て左右が"「ハ」の字"形に広がっている、その広がりが広いもの、狭いもの、キーボタン同士の距離(特に小指が乗るキー)など、それぞれのブランド、機種では独特のものがある。
 (余談だがCannonballは右手キーの広がりは比較的広く、指を広げつつ手の甲を前方に向ける形になるし、左手キーは距離が狭く、その反面小指キーの造りは少し大きめなので手首の位置を低めに取る事が多いのだ。手のデカいアメリカ人向けなのかも知れない。MarkVIは全体的に小さめの作りなので、慣れるまでに少々時間が掛かったものだ。)

 自分の"体格""手の大きさ"と云った、これまた新しい"条件"がここで加わる。
 「自分にとって重過ぎるかな」と感じるもの
 「自分にとって大き過ぎるかな」と感じるもの
 位は判るはずだ。それを外して行く。

 ここでは「この角度で構えるのは、ちょっと苦しいな」とか「こっちの楽器よりはこっちが持ち易いな」と云う程度で判れば良い。
 勿論、人間が操作するものなので極端な作りにはなってはいない筈だ。
 例えば手に関する部分では練習や指導によって手首の使い方を知る事にもなるし、指遣いも慣れてくればキーレイアウトもある程度の大きさまでは充分カヴァー出来るので、今後解消が出来る要素もあるからだ。
 また実際に息を入れて見ると、音が鳴る、鳴らないに関わらず、息の抜け方は判ると思う。
 ただ息を入れるだけでも、幾つかの機種でその抜け方が違うのも判るだろう。
 これはそれぞれの楽器の設計に寄るもので、息の抜け方がスムースなものは演奏していても楽に吹ける。
 
この3つのポイントを押さえる事で"重さ""大きさ""息の抵抗"と云うストレスポイントが判る。
極端なものを外していけば、ストレスの少ない条件が出来る。
初心者はストレスの少ない環境、条件で練習するのが上達への一番の近道だ。

但し、幾つかの"激安系"サックスは極端に軽いものもある。
吹いていても抵抗が少なく、軽く鳴るので「こりゃええわい」となりがちだが、その状態は未来永劫変わる事は無く、むしろヘタりも早いので「本格」を目指す向きにはそぐわないだろう。
息の抜け方も必要以上に抵抗がきついものもあるようなので、値段が安いからと云って初心者向きではない、と方々で云われる所以はここでも判る。


・"味方"に、自分のイメージに近い形で吹いてもらう
 
 ここで味方の登場だ。
 その方には事前に伝えてある通りのイメージに基づいて、実際にその楽器を演奏して貰おう。
 同時に、その楽器の特徴を細かく掴んでもらう事も大事だ。
 実際選定をする際には「音程」「音色」「抵抗感」「ダイナミクス」「キーレイアウト」等多くのポイントを見る事になる。
 選定を行う時には実際に演奏をする事を踏まえてそれらをチェックする。
 特に楽器ごとにもっている"性格"も加味しながらなので、意外に大変な作業にはなるのだが、ここでは「この楽器はこんな感じ」と云うポイントを伝えてもらう事にしよう。
 その間、じっくりその音やプレイヤーに注意を払う事を忘れてはいけない。
 自分の"相方"を選ぶ作業の一つな訳だ。見ながら聞きながら自分のイメージに合いそうなものを自分で選ぶ事をしよう。
 自分のイメージの中の音と、今そこで出ている音を比べられるのは自分しかいないのだ。
 勿論、ある程度吹ける方ならば御自分で感じた吹き心地、御自分の印象を最優先するのが望ましいだろう。


・試奏後すぐにミーティング

 ひとしきり終わった後で、自分の意見と味方の意見を総合しよう。
 時間を置かず、すぐの印象で話をするのが良いだろう。
 自分からは持ち易さ、息を入れた感じ、聞いていた印象など"自分の好み"の見地から、味方側からは楽器の音楽的な特徴を話して貰おう。
 楽器店スタッフにも加わってもらっても良い。
 意外にスンナリ意見がまとまるはずだ。余程ヒネクレた選び方で無い限りは、"良い"と思う物は皆同じである事が多いからだ。

 ここでは可能な限り"2機種"程度に絞ってみたい。
 これまでの"条件"+先程の印象があればいきなりでも絞り込める筈だ。
 一気に「これ!」と絞れるならそれに越した事は無い。


3)「選定」について


 その後、あくまで必要に応じてなのだが、場合によっては"次の試奏"について話をしたい。
 今度は「選定」と云う作業になる。
 最初から機種が決まっている場合は、いきなりここに進む事になる。
 楽器に個体差がある、と云うのは既にお話した。
 つまりは同じブランド、機種であっても、個体が違えば性格も違う、と云う事だ。
 つまり今日吹いた機種であっても、別の個体であればまた違った印象を持つ事も充分想定出来るので、あくまで状況が許せばの話だが、再度試奏の機会を設けて選定する事もあるのだ。
 絞った2機種程度について、2〜3台違う個体を用意して貰い、再度その中から選ぶ事になる。
 今度は重さ、大きさの選定は要らないので、あくまで"吹き心地"と"音色"、"音程"などについて、より細かく見る事になる。
 
 予めメーカーやお店で"選定品"として売られているものがあれば、それを優先しても良いだろう。
 これはメーカーの出荷の段階、店への入荷の段階で、プロのプレーヤーに楽器を点検して貰い、その中で音質や音程など優れたものを予め選んでもらってあるものだ。
 選定品はあてにならない、と云う類いの話も実の所無くはないが、そこはそれぞれのブランド、お店、選定したプレーヤーを信じるしかない。
 ちなみにYAMAHAの875、875EXについては須川展也氏、82Zについては織田浩司氏が、Yanagisawaの各モデルに関しては宮崎隆睦氏、新井靖司氏が責任を持ち選定している、との事だ。
 勿論自分で持って、吹いて確かめる事は出来ればした方が良いだろう。

 しかしこれを云い始めると本当にキリが無いし、ここでわがままを言い過ぎると"嫌な客"になってしまう。選定に必要な台数が揃わない事も多いし、方々の負担も増える事になる。
 勿論、一度の試奏で「これは"当たり"だよ!!」と云うものに出会えるかも知れないので、正にケース・バイ・ケースだ。
 楽器店スタッフ、味方とその点について話をし、その必要があるかどうか、を検討する。
 
神経質な向きでは、これを何度も繰り返した挙句"やっぱ買わない"と云う最悪のケースも発生するので、個体差は自分の想いと勢いで埋める、位の心持ち、余裕は必要だろう。
製品に明らかに重大な問題や欠陥がある場合は別だが、気に入らず返品交換を繰り返すケース(無くは無いだろうが)では、余程の事が無い限り最初を大幅に上回る結果は望むべくもない。
そこまで切羽詰まった買い物は、達成感こそあれ充実したものにはならないだろうし、マイナス指向を生むきっかけにもなろう。
人間余裕が何より必要だ。全てに於いて完璧なパートナーなど存在しないだろう。
人間の場合ならトイレにも行かず、始終笑顔を絶やさないなんて事はありえないのだ。
少々トロいが料理は巧い、とか口は悪いが綺麗好き、と様々あるもんだろう。
(ウチのCannonballも音は滅茶苦茶好きだが、やたら重いのが玉に傷だ)
そんな中で"自分の好み"の要素を、最も多く持っているであろう(この「いるであろう」が大事)物が自分にとっての、その時のベストチョイスである。もしくはその可能性が最も高い、と云う事にはならないだろうか?
楽器選びは随分と楽だ。楽器は一緒になってから一方的な文句は云わないからだ。
 
楽器は工業製品ではあるが、型を押した様に一様の物などあり得ない。
かなりの部分で工程は機械化されているが、部分的にはそう云う工法は取っていないし、それは設計上構造上取れないからだ。
なのでその工法や楽器の個体差について、いちいち細かく根掘り葉掘り重箱の隅を突いて突いて穴が開く程の執拗な追求など、はっきり云って無意味だ。
そんな時間があれば、少しでも練習する方が良い。
少なくともメーカーサイドでは極力その差を減らす努力(クオリティコントロール)をしているし、検品体制も整えている。
欠陥がある場合は最低限出荷はされないし、個体差は製品上の誤差の範囲だ、と云う事になる。
後は吹き手に委ねられている部分なのだ。


-----------------------------------------------------------------------------------------

最後は特に理屈っぽくなってしまったが、少なくともここまでやれば相当の確立で"好み"のものが判り、あるいは出会える事になる。
少々の"幅を持つ"場合はあろうが、満足行くものを手に入れる事には繋がるはずだ。
出来れば一度の試奏で、これぞ、と云う"好み"のものに出会えれば良いし、それを願って止まない。

さて、長くなったが次の段階へ移ろうか。

(続く

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
★サックスの"試奏"(後編)…購入検討者への提言(4) HIGH BLOW/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる